ある日の即興物語

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ある山奥の村に一人の少年がいました。

少年はいつも夜空を眺めては、何かおもしろいことは無いかな〜と思っていました。

そんなある日の夜、いつものように空を眺めていると、一筋の光が見えました。

その光は遙か遠くの方に落ちていきました。

少年はビックリして、その光が落ちた方へ向かって駆け出しましたが、何分子どもだし、夜なのでさほど遠くまでは出ることは出来ず、あきらめて家に戻ってきました。

 

その日から少年は、またその光が落ちてこないか見逃さないように毎日空を見続けていました。

そして、もっとよく見えるように双眼鏡を手に入れ、さらには遠くまで旅に出られるように色々な物をそろえては鞄に詰め込んで、その日のために準備をしていました。

 

しかし、その光を見てから数ヶ月経っても同じようなことは起きず、さらに数年が経っても光は現れず、その少年はいつしか立派な青年へと成長していました。

それでも彼は、その光を待ち続けました。

準備のための荷物はどんどん大きくなって彼の体よりも大きく重くなっていました。

それでもまだ準備のために色々な物を用意しては、かばんに詰め込んでいきました。

 

そんなある日、またあの光が夜空を駆け抜けました。

青年は、あれだ!と思いすぐに荷物をもって光の落ちた先に行こうとしました。

けれど今度は荷物が大きく重くなりすぎて、家の玄関を出ることができませんでした。

それでもあきらめきれず、その荷物をもって出かけようと試みますが、全く出ることができません。

そうこうしているうちに光を見失い、また今度も出かけることが出来ませんでした。

 

彼は苛立ちました。

あれだけ準備をして、やっとみつけた光を何も出来ないまま見失ってしまったことに。

彼はこの時絶望に似た何ともいえない感覚に陥っていました。

しばらくは何もする気がおきず、仕事も手に付かないような状態でぼーっとしていました。

そしてまたいつものように空を眺めていました。

 

するとまた光が夜空を切り裂きました。

今までよりも更に大きく強い光です。

青年は今度こそは見逃すまいと、着の身着のままただ光の落ちていった先に向かって走り出しました。

そして何日も何日も歩き続け、気がつけば数ヶ月がたち、さらに一年が経とうとする頃に、有る場所にたどり着きました。

そこは、とっても広くて、今まで見たことも無いようなくらい大きく立派な木が1本立っていました。

彼は思いました。

自分がずっと探していたのはこれだ!と。

そこにいるとなんだかとても懐かしく、落ち着く場所。

彼はその木の前で呆然と立ち尽くしていました。

 

そうしていると、どこからともなく一人また一人と人がやってきました。

その人達もまたあの日の光を求めて、やってきた人たちでした。

年齢も性別も住んでいた場所も様々な彼らとの会話はとても刺激的で楽しい物でした。

時間を忘れていつまでもおしゃべりできる、そんな人たち。

しかも初めて会ったのにずっと前から知っていたような懐かしさと安心がある、そんな人たち。

自然とその仲間達とそこで生活をするようになりました。

 

そして数年がたち、気がつけばその木の周りには大きなコミュニティーができあがっていました。

そこは彼が今まで育ったところとは全く違う、みんなが笑顔で生き生きとしていて、誰もが心から楽しめ、安心できる素敵な場所になっていました。

 

次第に彼はこの場所のことをもっと多くの人に知ってもらいたいと思うようになっていきます。

 

(続く)

 

 

 

 

ーーー

これは今年のはじめにあるセミナーに参加したときに作ったお話しです。

ずっとブログに書こうと思いつつ、すっかり忘れていたのですが、つい先日この話を話す機会があったので、10ヶ月前のセミナー時に話した事を思い出しつつ書き起こしてみました。

 

このお話しを読んでみて、何かを感じた方・心に響いた方もいるかもしれませんし、何も感じなかった・全く響かなかったと思う方もいるかもしれませんが、それで良いです。

ここまで読んでいただいたということだけで十分です。

きっとあなたの無意識はしっかりと何かを感じている事でしょう。

そしてこのお話しはまだまだ続きます。

私たちとともに・・・。

 

 

 

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